学部長メッセージ

文学部長 髙久 健二

1745308952816
 文学部には6つの学科があり、みなさんの探求心を満足させる多種多様な専門分野が準備されています。各学科には幅広い教養を身につけるとともに、研究をさらに深めていくための専門科目が充実しています。文学部はカリキュラムの自由度が高く、他学科の授業も受講できます。さまざまな選択肢のなかから、自分が好きな研究分野を見つけて突き詰めてほしいと思います。さらに、フィールドワークや実習などの授業も設けられており、実践的なスキルを身につけることができます。文学部のカリキュラムのなかでもっとも重要な授業がゼミナールです。ゼミナールは少人数授業であり、各自の研究分野に最も近い教員から直接的に指導を受けながら、好きな研究を思う存分深められる場です。ゼミナールでの研究活動を経て、最終的に卒業論文?研究を作成して卒業します。さらに研究を深めたい場合には、大学院も準備されています。また、国際交流センターでは在学中に海外の交流協定校に留学できる様々なプログラムが準備されており、文学部の多くの学生が利用しています。
 私は歴史学科で東アジア考古学を担当しています。歴史学科では実際の遺跡を発掘調査する「考古学実習」という科目を設置しています。例年、8月後半から9月前半の3週間にわたって、教員と学生が合宿しながら発掘調査をおこなっています。発掘調査はよく手術になぞられることがあり、最小限の発掘で最大限の成果を得る必要があります。遺跡は一度発掘してしまうと、もう二度と元には戻せないので、発掘は一回勝負です。そのため事前にどのような発掘法が適切かを充分に議論し、発掘しながらも刻々と変わる状況に対応していかなければなりません。また、発掘調査は一人ではできないので、教員と学生が一体となって、協力し合いながら進めていく必要もあります。学生たちは発掘調査実習を通じて、専門的な技術を身につけるとともに、社会生活で必要なコミュニケーション能力も養われていきます。
 大学教育では、高校までのような受け身の学びではなく、探求心をもった自主的な学びが不可欠です。皆さんの積極的な参加に期待しています。
※取材時:2025年
【略歴】
韓国?東亜大学校大学院史学科博士課程修了。文学博士。2010年本学文学部教授。専門は朝鮮半島を中心とした東アジア考古学。史跡埼玉古墳群保存活用協議会委員、公益財団法人東洋文庫研究員。茨城県出身。