2019.02.25 Mon
理工学部TOPICS

【生物科学科】学びの集大成を熱心に解説!

―専門分野を分かりやすく―

 2月16日(土)、理工学部生物科学科4年次の卒業研究ポスター発表会が、本学5号館3階学生ホールにて開催され、保護者や一般来場者など、80名を越える方々が来場しました。
【生物科学科】ポスター発表会_02▲当日は多くの来場者で賑わいました!
 学生たちは、約1年間に亘り取り組んできた研究成果を整理し、一般来場者も理解しやすいよう、工夫を凝らしてポスターを作成。これまでの研究成果に熱を込めて説明する学生たちに、来場者からも積極的に質問が投げ掛けられました。
 「質問に明確に答えていただきました(保護者)」や「学生が分かりやすく説明してくれたので理解できました(保護者)」などの感想もあり、生物科学科の学びの一つである『サイエンス?コミュニケーション』の集大成として、これまでに培った知識や経験を存分に発揮する学生たちの姿に成長を感じました!
 なお、発表会では来場者による投票により海洋生物?動物?植物それぞれのコースからポスター賞が選出され、以下の学生が受賞しました。

【ポスター賞受賞者と授賞コメント】

■海洋生物コース:川島 英里子さん
指導教員:佐々木 洋 教授
発表タイトル: ナンノクロロプシス添加食給餌がラットの血漿コレステロール濃度に及ぼす影響
ナンノクロロプシスというのは海洋性の浮遊性植物プランクトンです。各栄養素がバランスよく含まれており、栄養価が高いことから健康補助食品として有用とされています。そのナンノクロロプシスをラットに与えると血漿(けっしょう)中のコレステロールの値に影響を及ぼすのではないかということに期待して実験に取り組みました。
本実験は、宮城学院女子大学の後藤 知子先生にご協力いただき、ラットにコントロール食を与える群とナンノクロロプシス添加食を与える群の2群に分け、12日間の実験飼育を行いました。
「飼育実験」という点で、苦労する面も多かったですが、研究結果は予想していた以上に良い結果が検出され、苦労が報われました。
後藤先生にもお忙しい中、親身にご指導頂いていたので、良い研究結果が出て本当に良かったです。
ポスター発表会では、まさか「ポスター賞」に選んで頂けるとは思わず、驚くとともに非常に嬉しかったです。
研究に興味をもって説明を聞きに来て下さった方々に感謝すると共に、今回の発表で研究テーマについて理解していただき、興味深いと思って頂けたなら非常に嬉しく思います。

■海洋生物コース:小泉 彩さん
指導教員:角田 出 教授
発表タイトル:生薬類の経口投与によるキンギョ白点虫感染の防御と治療
研究内容をまとめたポスターを、一般来場者からも評価していただき、とても嬉しかったです。
私は、白点虫(寄生虫)の感染にあう魚の治療と予防について、これまで研究を行ってきました。
研究の結果、効果的だった生薬が把握できた他、サンプルとした金魚の「生体防御(免疫力)」も活性化しました。
この研究はまだまだ発展途上で、課題が残っていますが、発展させていくことで、白点虫の感染から魚を治療することができれば、水族館などでも感染症から魚を守ることができます。
生き物相手で、金魚のサンプル数が180匹と多かったので、大変な作業が多かったですが、実験結果が出た時はとても達成感を感じることができました!

■動物コース: 佐川 陽祐さん
指導教員: 芳賀 信幸 教授
発表タイトル: ゾウリムシにおける逆転電気走性の誘導と膜電位変化の可視化法に関する研究
ポスターは、多くの来場者に興味を持ってもらえるように、工夫して作成したので、投票により、「ポスター賞」を受賞することができ、「してやったり!」という気持ちです(笑)
ゾウリムシが泳いでいるところに電流を流すと、泳ぎ方が変化する「走電性」が現れ、電極が「+」と「-」の場合、一斉に「-」に向かって泳ぎます。しかし、粘性のあるメチルセルロースの中で同じことを試すと「+」に向かって泳ぐゾウリムシがいました。それを見て「なんでかな~、ゾウリムシってどうなっているのかな~」と思い、ゾウリムシについて2つの研究を行いました。
私が行った2つの研究は、世界初の試みだったため、実験方法も「物理」と「生物」の面から矛盾がないよう確認しながら進めてきました。
卒業後は、本学大学院の理工学研究科生命科学専攻に進学するので、本テーマについて、さらに深く研究していきたいです。

■植物コース: 八巻 皓仁さん
指導教員:中川 繭 助教
発表タイトル:ミヤマオダマキの草丈を決めるのは環境的要因か遺伝的要因か
私は、生育場所により草丈が大きく異なるミヤマオダマキに、環境や遺伝がどのように影響しているのかについて研究を行いました。
ミヤマオダマキを野外と室内で栽培した他、専用機材を用いて低温(4℃)で一定期間栽培するなど、様々な環境下で栽培することで、それぞれの草丈がどう変化したかを調査しました。その結果、花芽ができる前の温度がミヤマオダマキの草丈に大きな影響を与えることを発見しました。
また、同じ環境下で異なる遺伝的背景をもつミヤマオダマキを栽培することで、ミヤマオダマキの草丈を制御する遺伝的要因が存在することが分かりました。
学生生活の最後に「ポスター賞」という形で自分の卒業研究を評価していただけたことを嬉しく思っています。
【生物科学科】ポスター発表会_01▲来場者へ研究内容を説明する川島さん
【生物科学科】ポスター発表会_05▲来場者へ研究内容を説明する佐川さん
【生物科学科】ポスター発表会_06▲来場者へ研究内容を説明する八巻さん
【生物科学科】ポスター発表会_03▲閉会式でポスター賞を受賞し、表彰される小泉さん
【生物科学科】ポスター発表会_04▲発表会終了後に記念撮影!