2022.11.30 Wed
研究TOPICS
【研究】理工学部生物科学科 辻大和研究室の学生 執筆論文が国際学術誌に掲載「Mammal Research」
理工学部生物科学科の辻大和准教授と辻研究室卒業生の高橋夢湖さん、鈴木風磨さんが在学中に執筆した論文「Spatio-temporal patterns of vertebrate roadkills in a suburban area in northern Japan(石巻におけるセキツイ動物の交通事故(ロードキル)発生の時間的?空間的パターン)」が、11月26日付で哺乳類関係の国際学術誌「Mammal Research」(電子版)に掲載公表されました。
本論文は、足球365比分_365体育投注-直播*官网2年度共創研究センタープロジェクト事業※で実施された研究成果の一部であり、足球365比分_365体育投注-直播*官网2年4月から足球365比分_365体育投注-直播*官网3年3月にかけての1年間、宮城県石巻市で発生したセキツイ動物の交通事故(以下:ロードキル)について調べた結果をまとめたものです。
調査は、(1)ロードキルの発生場所、(2)ロードキルの発生頻度と交通量との関係、(3)ロードキルの季節性と対象種のライフイベントとの関係に注目して行われました。調査の結果、ロードキルの発生時期や場所が対象となる動物の行動特性に応じて変化することが分かりました。
※石巻市と本学との連携に関する協定に基づき、石巻市から助成金の交付により支援を受けて実施する事業。
(論文の要旨)
2020年4月から2021年3月にかけての1年間、宮城県石巻市で発生したセキツイ動物の交通事故(以下:ロードキル)について調べた。とくに
(1)ロードキルの発生場所
(2)ロードキルの発生頻度と交通量との関係
(3)ロードキルの季節性と対象種のライフイベントとの関係
に注目した。調査期間中に発生したロードキルは、少なくとも26種のセキツイ動物(哺乳類、鳥類、爬虫類)で1059件(2.9件/日)だった。とくにタヌキNyctereutesprocyonoides、イエネコFelis catus、ニホンジカCervus nipponのロードキルが多く、この3種だけで全体件数の75%以上を占めた。ロードキルは市の全域で起きていたが、タヌキのロードキルは市の郊外で、ネコのロードキルは市街地で、シカのロードキルは牡鹿半島を中心とした森林で、それぞれ頻発した。タヌキとネコの距離当たりのロードキル発生件数は、道路交通量と正の相関があった。つまり、道路への侵入を防ぐことがこれらの動物のロードキルを減らす有効な対策だと考えられる。タヌキの交通事故は秋(9月~10月)に多発していた。この時期はタヌキが独り立ちする季節にあたり、親離れしたばかりの経験の浅い個体が車に轢かれていると推測される。このようなロードキルの季節性は、ネコやシカでは見られなかった。以上の結果より、ロードキル対策は、対象となる動物の行動特性に合わせて実施することが重要と考えられる。
掲載された論文は,こちらのサイトをご覧ください。
本論文は、足球365比分_365体育投注-直播*官网2年度共創研究センタープロジェクト事業※で実施された研究成果の一部であり、足球365比分_365体育投注-直播*官网2年4月から足球365比分_365体育投注-直播*官网3年3月にかけての1年間、宮城県石巻市で発生したセキツイ動物の交通事故(以下:ロードキル)について調べた結果をまとめたものです。
調査は、(1)ロードキルの発生場所、(2)ロードキルの発生頻度と交通量との関係、(3)ロードキルの季節性と対象種のライフイベントとの関係に注目して行われました。調査の結果、ロードキルの発生時期や場所が対象となる動物の行動特性に応じて変化することが分かりました。
※石巻市と本学との連携に関する協定に基づき、石巻市から助成金の交付により支援を受けて実施する事業。
(論文の要旨)
2020年4月から2021年3月にかけての1年間、宮城県石巻市で発生したセキツイ動物の交通事故(以下:ロードキル)について調べた。とくに
(1)ロードキルの発生場所
(2)ロードキルの発生頻度と交通量との関係
(3)ロードキルの季節性と対象種のライフイベントとの関係
に注目した。調査期間中に発生したロードキルは、少なくとも26種のセキツイ動物(哺乳類、鳥類、爬虫類)で1059件(2.9件/日)だった。とくにタヌキNyctereutesprocyonoides、イエネコFelis catus、ニホンジカCervus nipponのロードキルが多く、この3種だけで全体件数の75%以上を占めた。ロードキルは市の全域で起きていたが、タヌキのロードキルは市の郊外で、ネコのロードキルは市街地で、シカのロードキルは牡鹿半島を中心とした森林で、それぞれ頻発した。タヌキとネコの距離当たりのロードキル発生件数は、道路交通量と正の相関があった。つまり、道路への侵入を防ぐことがこれらの動物のロードキルを減らす有効な対策だと考えられる。タヌキの交通事故は秋(9月~10月)に多発していた。この時期はタヌキが独り立ちする季節にあたり、親離れしたばかりの経験の浅い個体が車に轢かれていると推測される。このようなロードキルの季節性は、ネコやシカでは見られなかった。以上の結果より、ロードキル対策は、対象となる動物の行動特性に合わせて実施することが重要と考えられる。
掲載された論文は,こちらのサイトをご覧ください。

高橋 夢湖さん(本学卒業生)

鈴木 風磨さん(本学卒業生)