2023.11.29 Wed
生物科学科トピックス一覧

【生物科学科】在学生インタビュー「地元の問題を解決するための研究」②

近年、シカ生息数の増加などにより、全国的にシカによる森林被害が大きな問題となっている中、石巻地域で二ホンジカが森林生態系に与える影響について研究を進めている伊藤凜さん(4年次?岩手県立千厩高等学校出身)に研究の内容やその思いについてお話をうかがいました。
いとうさん▲シカの研究を行っている伊藤さん
Q.現在取り組んでいる研究内容について教えてください。
石巻市の牡鹿半島に生息する二ホンジカが森林生態系に与える影響について研究しています。
シカ密度の増加は、①土壌の劣化②鳥類?哺乳類?昆虫類の減少、③植物群集の衰退、④車との衝突事故の増加、⑤農林業被害など様々な問題を引き起こします。
中でも下層植生の劣化は森林が持つ土壌保全維持の機能を衰退させ土壌流亡を招き、下流域に影響を及ぼします。
また、土壌の河川への流出は水質汚濁を引き起こし魚類に影響するため、土壌管理の観点からもシカ個体群の適切な管理は重要です。
センサーカメラを設置してシカの密度の評価を行うとともに、シカの影響を定量的に評価するためにリター(枯れ葉)や生葉の量を測っています。レーザー距離計で景観評価を、土壌硬度計により土の硬さを、それぞれ計測しています。

Q.なぜその研究に興味を持ちましたか?
石巻市が二ホンジカの被害が一番多いことを宮城県のホームページで知ったからです。
石巻市では、シカの増加とそれに伴う各種の被害が問題になっています。
主に土壌成分の劣化、鳥類?哺乳類?昆虫類の減少、植物群集の衰退、車との衝突事故の増加、農林業被害等、を引き起こす可能性もあるため、被害軽減のために何か提案できないかと考えて研究しています。




Q.本学理工学部生物科学科に決めた理由を教えてください
幼い頃から生き物や実験が好きで、興味もあったため選びました。


Q.卒業後の進路について教えてください?
郵便局に内定をいただいているので、卒業後は郵便局員として働きます。
生物科学とはあまり関連がない仕事ですが、大学で4年間生き物と向き合い、学んできたことは社会に出てからも役立つと思っています。


Q.最後に、石巻専修大学理工学部の好きなところを教えてください
たくさんの経験が出来るところです。
卒業研究では、金華山に行って山小屋での生活、釣りや登山を経験し、シカやサル、ウサギなど様々な動物に会えました。
授業では、魚の解剖など高校ではできない経験を沢山できます。白衣を着て顕微鏡をのぞけば、微生物や筋肉繊維などを見ることができます。
先生方や研究室の仲間との食事も楽しいですし、サポートも手厚いのでおすすめです。